【解説】技術文では避けた方が良い?etc.の使い方と注意点

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日本語で「~など」という表現をよく見かけますが、その際にetc.と訳されることが多いです。

このetc. ですが、実は技術文書においてはあまり好まれません。

今日はetc.の使い方、そして使う場合の注意点、そしてetc.がなぜ技術文書で好まれないのかを解説します。

 

etc.の使い方

 

2つ以上の物を列挙した後に「, etc.」が正しい書き方になります。

文中で使用する場合にはピリオドの後にコンマを打ち、文末の場合はピリオドのみ打ちます。

〇  I always eat healthy food—vegetables, fruits, etc.

〇  Please bring cakes, cookies, candies, etc., for the party.

 

etc. は et cetra の略称ですが、etはand、cetraはthe restという意味になります。

なので、and etc.と書いてしまうとandが重複してしまうので、気をつけましょう。

 

また、etc. は同じカテゴリの物を列挙する場合のみ使用します

違うカテゴリの物は入れないようにしましょう。

〇 Please bring notebooks, pencils, scissors, etc.

✕ Please bring notebooks, pencils, apples, etc.

 

etc.を使う際の注意事項

 

etc.を使う場合は以下の点に気を付けましょう。

  1. 物には使えるが、人には使わない。
  2. 二つ以上の物を列挙する際に使う。一つの場合は使用不可。
  3. For exampleで始まる文には使用しない。
  4. 例えば・・・を意味するe.g. の最後には付けない。(✕e.g. apples, oranges, grapes, etc.)
  5. 文中で使用する際は,とピリオドの後にカンマをつける。文末の場合カンマは不要。
  6. and etc.とは書かない
  7. 同じタイプにカテゴライズされる場合のみ使用可能

 

技術文書でetc.が好まれない理由

 

etc.が好まれない理由、それは技術文書が情報を過不足なく伝えることを目的としているからです。

etc.の中身は読み手側の想像に委ねられてしまうので、人によって解釈が異なるという事態に陥ってしまいます

また、内容を正確に述べるのが面倒なのか、または後から「書いてない」と突っ込まれないように曖昧に書いているという印象を読み手に与えてしまいます。

 

このような事態を避けるために、具体的に書ける部分で必要なものは全て列挙するのがベストです。

良い技術文書には、不要な情報は含まれません。

不要な情報とは具体性の無い情報です。etc.自体が読み手に与える情報はないので避ける方がよいでしょう。

それでもどうしても使いたいという場合は”and so on”や”and so forth”などを使用しましょう。

 

また、技術文書のスタイルガイドである“The ACS Style Guide”では”etc.”は図の説明、表、カッコでのみ使用すること。それ以外の場合はfor example, that is, versus, and so onとスペルアウトすること。と書かれていました。

こちらの説明はThe ACS Style Guideにしか書かれていませんでしたが、この説明からのわかる通り、技術文では使用を避けた方が良いでしょう。


まとめ

 

和文を英訳していると「など」が頻繁に登場します。

その場合、etc.と書かないようにするか、「もっと具体的な表現に変えてください。」と原文作成者にお願いするのですが、やはり解釈を広げたいので付けるよう指示されることが多いです。

そういう場合は、原文作成者の想いをできる限り取り入れつつ、翻訳するようにしています。

 

etc.のルールを理解して、正しい英文を目指しましょう!

読んでいただきありがとうございました。

 

<参考文献>

The Chicago Manual of Style

The ACS Style Guide

技術英文の書き方55のルール

 

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