技術英文テクニカルライティングのバイブル!The Elements of Technical Writing

The Elements of Technical Writing

 

今日は技術系英文ライティングのバイブルともいえる”The Elements of Technical Writing”( Robert W. Blye, Gary Blake )をご紹介します。

私がこの本に出会ったのは10年以上前、翻訳スクールの先生に技術翻訳学習者におススメの一冊として紹介されたのがきっかけでした。

出会ってから10年以上経ちますが、未だにたまに見返しています。

全て英語で書かれていますが、学習者にもとてもわかりやすく書かれています。

 

本書の構成

本書の構成は以下の通り。

1章 Fundamentals of Effective Technical Writing
2章 How to Write Numbers, Units of Measure, Equations, and Symbols
3章 A Few Useful Rules of Punctuation, Grammar, Abbreviation, and Capitalization
4章 Principles of Technical Communication
5章 Words and Phrases Commonly Misused in Technical Writing
6章 Proposal and Specifications
7章 Technical Articles, Papers, Abstracts, and Reports
8章 Letters and Memos
9章 Manuals and Documentation

二部構成となっており、PARTⅠである1~5章は英文ライティングのテクニックについて、PARTⅡである6~9章は各技術文書の書き方について説明しています。

おススメポイント

 

技術英文ライティングをこれから始めようという方はまずは第1章をじっくり読んでみてください。

冒頭部分を一部ご紹介します。

技術文書では、物やプロセス、システム、抽象的概念を扱うため、スタイル(文体)よりも実用性や正確さを重視します。技術文書は客観的であり、スタイルや筆者の気持ちに焦点は当てません。

技術文書と一般文書の違いは内容だけではなく、目的も異なります。技術文書の目的は正確に技術内容を伝達すること。これは読者を楽しませたり、物を売ったりするためのセールスライティングとは異なります。

テクニカルライターは正確かつ体系的に内容を伝えることを優先しているため、洗練された文体や表現を犠牲にすることもいといません。

(P4, Technical vs. nontechnical writingより)

 

技術翻訳の勉強を始めた頃にこの考え方を知り、「私でも勉強すればできるかも!」と思いました。

技術英文ライティングにはお洒落で気の利いた表現は必要ないのです。

正しいルールを理解し、不要な部分を削ぎ落して行けば質の高い文章が書けるかもしれないと希望を持ったことを覚えています。

 

2~5章では実務で必ず必要になるライティングのテクニックが説明されています。数字の表記や句読法など、あいまいだった知識がクリアになります。今でもたまに見返して確認しています。

 

私が愛用している片岡英樹先生の「技術英文の書き方55のルール」や中山裕木子先生の「技術系英文ライティング教本」にも本書が参考文献として挙げられており、本書の内容が反映されていると感じます。

 

「技術英文の書き方55のルール」では、前書き部分で本書の筆者であるGary Blake氏について触れられています。

出版にあたりGary Blake氏とコンタクトを取ったそうです。本書へのリスペクトが感じられますね^^

前書き

 

本ブログでも上記三冊とThe ACS Style Guideやシカゴマニュアルを参考に記事を作成しています。

本書自体がテクニカルライティングで書かれているので、パラグラフの校正やインデントの取り方なども参考になると思います。

 

技術英文ライティングにかかわる全ての方におススメの一冊ですのでぜひ手に取って読んでみてください。

読んでいただきありがとうございました。

 

 




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