こんにちは!さんななです。
皆様、中山裕木子先生はご存じでしょうか。
あの「技術系英文ライティング教本」の作者で、技術翻訳や特許翻訳で有名な先生です。
今回、「会話もメールも英語は3語で伝わります」をご紹介したいと思います!
さて中山先生を尊敬している私ですが、2016年に発行されたこちらの本は読んでいませんでした。
なぜって、題名から・・
英語初心者の方の本なのかしら?だって私一応翻訳者だし。
と謎の上から目線でスルーしていました。
調子に乗らないで?いつからそんなに偉くなったのよ・・
と、昔の自分を殴ってあげたいですね。
とても良い本だったので同じように思っている方にも是非読んでいただきたいです。
どんな本?
まず本書の内容は、英語を3語で書くというテーマに沿って書かれていますが、簡潔な英語の書き方のテクニックが余すところなく紹介されています。
和文に引っ張られて長ったらしくなってしまう英文を能動態に変えて、そこをベースに情報を足していくことで過不足のない訳文を作る方法が書かれています。
まさにテクニカルライティングの3C(Clear・Correct・Concise)が詰め込まれています。
ストーリーになっているわけでもなく、参考書という感じでもありません。
難しい動詞や言い回しをやめて、いかにわかりやすくするか。
その方法が例文をリライトしながら書かれています。
さらに文法を一通り学んだ人が、ルールはわかったけどこの場合はどうなるの?って思う疑問点をピンポイントでとらえています。
個人的にはこちらの方が引き込まれて読みました。
日本人が躓くポイントかなーり抑えています。
役に立ったポイントをちょっとだけ紹介
たとえば、助動詞の微妙なニュアンスの違いをなんとなく書いている方、多いのではないでしょうか?
- You must help her.
- You have to help her.
- You should help her.
- You had better help her.
これらの違いわかりますか?気分で書いていませんか?
細かいニュアンスの違いは以下の通りです。
- 彼女を助けてあげなよ。
- 彼女を助けないといけない。
- 彼女を助けてあげたら。
- 彼女を助けてあげないと、困ったことになるよ。
*本書のP148引用しています
なるほど~微妙な違いですが、使い分けていきたいですね。
どんな人におススメ?
こちらの本、英語初心者の方だけでなく、英語得意な方や翻訳者の方にもおススメとなっています。
むしろ私たちのような翻訳者や技術者向けに書いたのではないかと思います。
例文はビジネス・技術文も含まれるので初級者の方にはちょっと難しく感じるかもしれません。
本書の使い方としては、初めにざっと読んでポイントを押さえて、英文を書いていて困ったら見直すのが良いと思います。
微妙なニュアンスの違いとか、英語学習者が一度は疑問に思うようなことが書かれています。
読んでいて、あーこれ知りたかったやつだ!と思うことが何度もありました。
余談とまとめ
読んでいて思い出したのですが、ドラゴン桜の東大の英作文の回で、東大の英語は減点方式で、難しい単語や文法は必要がなく、簡単な単語・文法で書くというエピソードがあった気がします。本書でもまさに同じことが書かれています。
書き手の思いを詰め込みまくったわかりづらい英文ではなくて、読み手を一番に考えて翻訳したいなと改めて思いました。
中山先生の新刊の「シンプルな英語」が本日発売とのことなので、この本を選んでみました。
こちらもさっそく注文したので読んだらまたブログに書きたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。