Serial comma(連続コンマ)とは、三つ以上の語句を並べる時、最後の接続詞(and や or)の直前に付けるコンマのことを言います。
Serial commaの使い方とイギリス式とアメリカ式の違いについて解説します。
Serial comma とは?
まずはserial commaの使い方について。
I ate apples, grapes, and oranges.
このように、and の前のコンマを付けます。
アメリカ化学会による英文科学論文のスタイルガイドである The ACS Style Guideでは、以下のように説明されています。
Use a comma before the coordinating conjunction in a series of words, phrases, or clauses of equal rank containing three or more items.
「三つ以上の対等の関係にある語と語、句と句、節と節を結びつける等位接続詞の前にコンマを使用する」
Serial commaを使う事で、誤解のない、わかりやすい文章になります。
不明確な文章とは?
読み手の誤解を避けることが出来るserial commaですが、不明確な文とは、以下のように2つの意味にとれる文章になります。
- I met my sisters, Akiko, and Satoko.
私の二人の姉たち、明子、聡子に会った。 - I met my sisters, Akiko and Satoko.
私の姉である明子と聡子に会った。
1では姉二人+二人の四人に会っているのに対し、2では姉二人のみに会っています。
コンマの有無によって、意味が全然変わってきますね。
アメリカ式とイギリス式の違い
以前、英文をチェックしてくれた同僚から「最後のコンマいらないよね?」と言われたことがあります。
実はアメリカ英語とイギリス英語で以下のような違いがあります。
アメリカ式:コンマは基本的につける。
イギリス式:コンマを省略した場合に、意味が不明確にならなければ省略してもOK。
(不明確とは、上述したように2通りに解釈できる場合を指します)
その同僚は子どもの頃に香港に住んでいたことがあると言っていたので、イギリス式英語だったのですね。
また、アメリカの新聞やニュース産業で利用されている、記事執筆のスタイルと用語法のガイドブックであるAP style book ではコンマの省略を推奨しています。
ただし、この場合も不明確な場合はコンマを使用します。
Serial commaとOxford comma
Serial comma は別名 “Oxford comma”(オックスフォードコンマ)とも言います。
イギリス式英語ではコンマの省略が推奨されているのに対し、イギリスのスタイルガイドであるThe Oxford Style Manualが使用を必須としたことに由来しています。
しかし、The University of Oxford Style Guide (2014)では、コンマの省略が推奨され話題になっていました。
以下、The University of Oxford Style Guideの説明を抜粋します。
×:He took French, Spanish, and Maths A-levels.
〇:I ate fish and chips, bread and jam, and ice cream.
〇:We studied GeorgeⅢ, William and Mary, and Henry Ⅷ.
×:She left her money to her parents, Mother Theresa and the pope. (pope は教皇)
なんともイギリスらしい例文ですね。
シリアルコンマの有無というのはネイティブたちの間でもたびたび議論される話題のようです。
まとめ
では一体どっちを使えば良いの!?と疑問を持たれるかと思いますが、ノンネイティブであればserial commaを使うことをお勧めします!
手持ちの文法書を4冊確認しましたが、全て連続コンマをつけるとされていました。
正しく伝わることが一番重要ですからね。
以上、参考になれば嬉しいです。
読んでいただきありがとうございました。